2009年03月02日

第1回 関西・中国地区のチョウ類の保全を考える集い参加報告(2009年3月1日)

 3月1日(日)、チョウ類保全協会主催で兵庫県立人と自然の博物館(兵庫県三田市)で開催された「第1回 関西・中国地区のチョウ類の保全を考える集い」に参加してきました。
 プログラムは1つ下の記事のとおりですが、特に印象に残ったところをピックアップして紹介しましょう。

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◆「シカの影響による環境変化」:これには驚かされました。今まで、そんなに気にしていませんでしたが、深刻な問題です。右上の兵庫県の図、色の濃いところは鹿密度の高いところで、食害の酷さと鹿密度はぴったり一致してましたね。食害の酷いところは、下草が食べつくされて裸地状になるか、鹿の好まない植物(例えば、イワヒメワラビ、ダンドボロギクなど)数種のみが覆い茂る貧粗な植生状況になるかのいずれかなんですね。そこでは、蝶の食草になりそうな植物はまったく見られません。食害地はどんどん広がってきていまして、蝶の生息には大変な脅威です。

090301-4.jpg◆「大阪南部のギフチョウ保全を考える」:大阪・奈良県境の葛城山のギフチョウの保全について、いろいろと討論がなされました。いなくならんうちに採集規制をかけて本格的な保全活動に着手する時期が来たと感じています。

090301-5.jpg◆集いの後、懇親会もありまして、最後まで参加してきました。蝶写真家のWさんも参加されていて、お目にかかるといつも2ショットを撮って遊んでしまいます。

 お目にかかってご挨拶させていただいた多くの方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
posted by kenken(管理人) at 20:45| Comment(22) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「シカの影響による環境変化」
ん〜ん、念頭に無かったけど、凄く重大そうですね。
Posted by Rhetenor at 自宅 at 2009年03月02日 22:33
今回は出席もお手伝いもできず、失礼してしまいました。
会は盛況だったようで、良かったです。
それにしても、シカの影響はすごいようですね。ヒトよりもかえって対応が難しいのではないでしょうか。相手も生きるために必死でしょうし。
Posted by otsuka at 2009年03月02日 22:57
昨日は大変お世話になりました。

『鹿害』の件には、その影響度合いが逼迫していることを改めて感じ入りました。

葛城山の件は地元のことだけに本当に憂慮すべき『緊急課題』ですわ。今年はガンバッて登ってみますぅ〜。できればコワい『採り子サン』には出くわしたくありませんが・・。
Posted by 深山葵 at 2009年03月02日 23:29
沢山の方が参加されたのですね。
活発な会で頼もしいです。
いつかは私も機会があると思います。
W氏、またお会いして飲みたいです。
Posted by maeda at 2009年03月03日 06:08
シカの天敵(オオカミ)がいなくなって生態系が崩れているのは北の大地も深刻です。難しくても共存出来る環境作りが大切なのでしょうね!
W氏とは昨年札幌でご一緒させていただきました。もうすぐコマクサ平でお会い出来るのを楽しみに春を待っているのです〜♪
Posted by Noreen at 2009年03月03日 11:15
日本チョウ類保全協会の関西での第1回集会に参加をさせて頂きました。深刻な鹿による被害の実態を知り愕然としました。皆さんが彼方此方で稀少な蝶の保護活動をされているのも頼もしいです。採集規制の是非や保護活動のあり方についての討論も活発な本音が出たりして良かったです。幾ら正しいと思う考えや行動でも独善・独りよがりにならず色んな人の理解と共鳴を得られるようになるのが理想かなと思います。尤も、そんな悠長な事を言っておられない切羽詰った危機的状況の処も多いのかなと悲しくもなります。なお小生、帰り際に会員登録しました。今後とも、宜しく。
Posted by jinshige46 at 2009年03月03日 11:49
Rhetenorさん
 これね、かなり深刻ですわ。
 特定の植物(例えば、カンアオイ)を食べるのかどうかという以前に、実際の食害地の写真を見ると、鹿の好まない数種類の植物が生えているだけでした。見た瞬間に、こりゃ蝶の生息にはあかん!って感じの土地になってましたね。
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:53
otsukaさん
 いえいえ、お気になさらずに。またの機会にお越し下さいな。
 写真のとおり、なかなかの盛会でした。
 鹿の食害の状況を具体的な事実としてまとめたものを見たのは、今回初めてでしたが、驚きです。オオカミの絶滅した日本、鹿天国ですね。増加に歯止めをかけて一定頭数になるような人間の関与が必要なようです。
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:54
深山葵さん
 遠路、ご参加、有り難うございました。
 葛城山のギフチョウは、まだ健在なうちに手を打つ必要がありますね。いなくなってしまってからでは、どうしようもありません。
 真の「蝶愛好家」であれば、蝶が絶滅することには反対の立場を取るので、採集規制にも理解が得られるでしょう。
 問題は、蝶を愛する心がなく(蝶愛好家ではなく)、アルバイト感覚で採っている方々がいることです。こういう方々とは永遠に主張が相容れないですから、法的に根拠のある規制が必要ですね。
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:55
maedaさん
 なかなかの盛会でしたよ。北海道でも開催できると良いのですが・・・そんなことも「夢」にかかげて活動しています。
 W氏は、お目にかかる度に2ショットして遊んでいます。
 大昔、初めてお目にかかった時、著名な方とは存じずに気軽にお話ししたもので。(笑)
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:56
Noreenさん
 そうですか、北の大地でもオオカミのいない弊害が・・・
 ヒグマさんでは鹿の天敵にはねぇ・・・
 イノシシをボタン鍋で食べるように、一定数は捕獲して利用することが必要な気がします。蝶や鹿のみに限らずに、トータルな生態系の維持を考えるとヨーロッパなどからオオカミの再導入もありえるかもですね。
  貴殿もW氏と2ショットしてましたね。覚えていますよ。
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:57
jinshige46さん
 これは、これは、じきじきのコメント、有り難うございます。
 ご参加、そしてご入会いただき、会の責任者になり代わり御礼申し上げます!
 ですが、何より嬉しいのは、小生を可愛がって下さる大先輩にお目にかかれたことです。
 鹿害、私も初めて実感して驚いているところです。
 蝶が好きな者どうし、いろいろ議論を交わしながら、楽しく活動して参りましょう。
 今度はフィールドでご一緒いたしましょう。
Posted by kenken(管理人)@休憩タイム at 2009年03月03日 16:58
鹿の被害の深刻さは関東でも同じです。丹沢山地のスズタケ-ブナ典型群落は消滅、ブナまで枯れ始めています。奥秩父も物凄い被害で絶句!南アルプス山麓も同様で壊滅的です。応急策としては広範囲の鹿の殲滅しかないようですが、これも進まず、抜本的な対策はなにも立てられていません。また、鹿の拡散にともないヤマビルが異常発生する地域が増大、ノウサギが激減したのは、笹を鹿に食べられただけではなく、何がしかのヒルを介在した二次的感染の可能性も考えられる事態となり、深山に棲む生態系の頂点とされるイヌワシも、餌のウサギが消えて麓まで降りてきているようです。
Posted by 久保田 at 2009年03月03日 19:20
久保田さん
 関東でも同じでしたか・・・兵庫県では、なにがしかの対策が取られつつあります。例えば、一定地域を柵で囲って元々の植生を保存して、鹿害がなくなったら原状を回復できるように。
 かなりの頭数は捕獲されているようですが、増加傾向のようですね。
 こちらでもヒルやダニが多いのは鹿の増加のせいだと推測されます。
 鹿肉の流通ルートを整備するようなことから手をつけねばならないのかもしれません。
 蝶も対策を講じなければならないくらい増えると良いのですが・・・あっ、アカボシは増えてましたね。これはこれで、困ったもんです。
Posted by kenken(管理人) at 2009年03月03日 22:27
チョウ保全活動お疲れ様でした。
先日、霧島の麓に行きましたが、鹿の食害で斜面以外の所は全部食べつくされていました。その時の植物の心配はしましたけれど、チョウとの関係には全く気が付きませんでした。ひょっとして、霧島も非常事態なのかもしれません。
Posted by mmerian at 2009年03月04日 07:37
mmerianさん
 コメント有り難うございます。
 う〜む、霧島の麓もそんな感じですか・・・私ね、これまで鹿害ってあんまり気にしていませんでした。ここ数年、フィールドに出ると、どうもダニが多いのは鹿が増えたせいかなって感じてたくらいでしたが。
 今回の報告を聞いて、かなり深刻な問題であることを認識しました。下草を食べる蝶はピンチですね。
Posted by kenken(管理人) at 2009年03月04日 20:47
久々にカキコです。
鹿、最悪ですね。
とある島では鹿のおかげか下草がまったくなくなって
イネ科植物をまったく見かけないということがありました。
当然のごとくどこにでもいそうなヒメジャノメすら
いませんでした。
ダニやヒルがやたら増えているのも鹿の影響なのでしょうかね。
Posted by 暇人1号 at 2009年03月04日 21:32
暇人1号さん
 鹿害、マジでやばいですね。ダニやヒルが多くなったのは、間違いなく鹿の増加の影響ですね。(実際には検証が要るでしょうが、状況証拠的にはそのとおりです)
 兵庫県にクロヒカゲモドキなんか探しにいくと、過去に記録のあったところは鹿害の酷いところで、林床の下草が蝶を育む環境ではなくなっているようです。

 ところで、まったく話が変わりますが、昨日、1件のリンクを追加しています。次のページですが、ちょっと興味深い内容だったりします。

「蝶・旅の友」 http://bbwn32.exblog.jp/
Posted by kenken(管理人) at 2009年03月04日 21:53
今しがた、W氏の著作を手にしておりました。

10年ほど前、丹沢のシカの調査をなさっていた方から、冬に食べるものがなくて樹皮をかじりとるから木も枯れてしまう、と…。さらに冬季に餓死した幼シカは、脂肪を消費しつくして骨髄がスカスカになっているとも…。
草っ食いの動物は捕食者からの捕食圧で個体数をコントロールされているような気がしています。したがって、捕食者のいない現状では環境収容力を超えるところまで増えて、パタッといなくなってしまうのではないでしょうか。
それを避けるために彼らは里へ下りてくると思います。そうすれば当然のごとく農作物への食害が…。
お上もいらぬことに使うお金があったら、シカやサルの調査に少し回せばいいのです。そして、「共存」を策すなら、適正個体数に抑える「間引き」を考えていかなければならないのでは、と思いますが。

Posted by luehdorf@今日のうちに at 2009年03月04日 23:44
luehdorfさん
 おっと、珍しい時間帯でしたね。
 W氏の著作はいずれもえぇもんですね。

 なるほど、丹沢の鹿調査のお話をお聞きだったのですね。
 実際に鹿は里にもよく降りてきてますね。実は以前に我が家の前にも現れて、パトカーなんか来て騒ぎになったこともあるんですよ。
 やはり鹿の間引きは必要でしょう。間引かれた鹿には気の毒かもしれませんが、捕食者のいなくなった日本では、適正個体数維持という大きな観点から見なければなりませんね。それとも、狼の再導入か?
 話によれば、猟師さんも、鹿を採ってもそれを捌く流通ルートがないようで、困っているとか・・・鹿のレバカツが人気メニューになるような店はないのかしら・・・
 あなたも狼になりますか♪って唄ありましたね。
Posted by kenken(管理人) at 2009年03月05日 07:36
遅くなってしまいましたが、保全活動参加お疲れさまでした。
鹿害も含めてチョウの保全には地域環境と経済も考えておかないといけない時代になったような感じもします。
ちょっと前の円安、資源高の時期には落葉松の間伐材も採算に合うようになったとの話もありましたが、今はどうなんでしょうね。
Posted by thecla at 2009年03月08日 11:09
theclaさん
 いえいえ、コメント、有り難うございます。
 蝶だけを保全するというのは無理な話で、生態系をうまく維持できるような環境を考えねばなりませんね。
 薪を使って何かをするようなことが復活すると良いのかも。少なくとも、杉の植林はもっと伐採して活用したほうが良いのかもしれません。花粉症も多いことですし。
Posted by kenken(管理人) at 2009年03月08日 16:40
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