2006年01月07日

お蔵入り写真シリーズ(4) 「ナミアゲハ飛翔」

060107a1.jpg060107k.jpg 私が生態写真の心の師匠と仰ぐS氏は、HPの中で「『ちゃんと撮ればどんな蝶でも美しいものである。それはよくわかっているが、普通種にカメラの向けるのは一種の覚悟が要る。』これはT氏の名言である(と私は思う)。撮影は採集と違って『ちょっと摘んで撮る(採る)』というわけにはいかず、それなりに時間がかかる。その間は、仮にすぐ近くで『決定的瞬間』が繰り広げられていても、気付かず逃すことになる。その覚悟が必要なのである。」と記述しているが、私もまったく同感である。

 2005年9月、兵庫県でクロツバメシジミに狙いを定めて撮影していたところ、すぐ近くで普通種の代表とも言えるナミアゲハが優雅に飛翔していた。敢えて狙いを変え、それなりに時間をかけて、普段は撮影しない飛翔写真を撮影してみた。(写真左)普通種であるがゆえか、なんとなくお蔵入りになっていたが、ナミアゲハの美しさと躍動感をそれなりに表現できた写真であると思うのでこの機会にお目にかけたい。
 ナミアゲハの撮影を終え、クロツバメシジミの撮影に戻ったが、その間、クロツバメジジミはどんな「決定的瞬間」を繰り広げていたのだろうか・・・ 幸い、狙っていた「翅表と翅裏を同時に」というお気に入りポーズでの吸蜜シーンは撮影することができた。(写真右)
 仮に、この2つのシーンがまったく同時に繰り広げられていたとしたら、どちらにカメラを向けるのだろうか・・・ それは、実際にそんなシーンに出遭ってみないとなんとも言えない。
【撮影データ】カメラ:Canon EOS Kiss DN、レンズ:Tamron 90mm MACRO、シャッタースピード:1/640、絞り:5.0、評価測光、露出補正:-2/3、ISO:400(偶然であるが、写真左・右共にともにまったく同じあった。)

 なお、蝶の飛翔写真は、私の本体のHPのリンク集にもあり、私もよく拝見している「翔写真館」が群を抜いて素晴らしいと思うので、お口直しが必要な方はこちらへ。
posted by kenken(管理人) at 21:30| Comment(22) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
左と右の写真どちらを優先するか。私なら100%右です。しかし、左と右の写真どちらが良いか無作為で質問したら、90人は左と答えると思います。
Posted by ノゾピー at 2006年01月07日 21:52
ノゾピーさん、素早いコメントどうもです。
 ふむふむ、100%右ですか。私は迷うなぁ〜 右のシーンはじっと待っていればある程度期待できる、再現率の高いシーンだと思いますが、左のシーンはまさに一期一会で、再現率が低いような気がします。でも、やっぱり右かな。(笑)
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月07日 22:52
う〜ん、難しい質問ですね。けど、やっぱり右でしょうか(笑)。未熟な私にとって、飛翔画像は「偶然の産物」です。左の画像を狙って撮れるようになったら、もう少し考える時間が長くなるかもしれませんが(笑)。それにしても、クロツ、エエ画像ですねぇ。これで、お蔵入りですかぁ?
Posted by nomusan at 2006年01月07日 23:54
時間をどのように使うか?と言う問題ですね。時間はいくらあっても足りません。身近な蝶は、またの機会が在るだろうと優先順位がどうしても下がってしまいます。
昔はネットオンリーだったのですが、デジカメで簡単に撮れるという楽しみを知ってから、(所謂)普通種も見直すことができました。きれいな種類も多く、あなどれません。(所謂)珍品は、撮らせてもらえれば、飛んでいっても、『ありがとう』と見送ることができるいうになりましたが、撮れずに飛ばれると後悔しきりの私です。まだまだ、物欲から離れられません。

”美”あるいは、”探究心”を追及するか、それは個人の楽しみ方で、どちらも好きなほうを選択すればよいと思っています。趣味の世界ですし、マナーと節度を守って、フィールドに出たいと思っています。

で、左右どちらを選択するか?私は、やっぱり右です。近所のクロツを見直して、05年の10月に集中して各地を回りましたが、この画像と九州産のヤマクロツとイメージが異なります。九州産は白い。些細なことかもしれませんが、微妙な変異に注目してしまいます。
Posted by しまびと at 2006年01月08日 01:02
nomusanさん
 飛翔画像は、私にとっても偶然の産物でしかありません。狙って撮るには、それなりの準備がいるでしょう。逆に、左の画像を狙って撮るような準備をしてフィールドに臨んでいたならば、きっとクロツの飛翔を撮ることになるのでしょう。
 いえいえ、このクロツ画像は、お蔵入りになってしまう予定のものではありません。実は、シーズン・オフの「表紙の蝶」用に取り(撮り)置きしていたものです。なので、タイトルも「お蔵入り・・・『ナミアゲハ飛翔』」なんです。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月08日 08:13
しまびとさん
 気持ちの入ったコメントを有り難うございます。私もまったく同じで、2000年6月までは、ネットオンリーでひたすら採集していました。標本が色あせないうちに画像に残しておこうと、初めてデジカメを購入し、なんとなく生態写真を撮ったら思いのほか綺麗な写真が撮れたので写真に魅せられてHPを立ち上げる決意をしました。詳細はご存知かと思いますが次のページです。
http://www.k3.dion.ne.jp/~zephyrus/mfbj/1230-000621-06.html
 今でもネットは携帯していて、標本にして発表すべき(分布域の拡大、生態写真撮影困難な異常型など)と認められる場合や、知人にプレゼントする場合などには、ごく少数ですが採集もします。(例えば、このクロツも、しまびとさんが「九州のヤマクロツと標本を比較検証したい」とおっしゃれば、1♂1♀採集して標本作成してプレゼントしまっせ〜)
 私(達?)と同世代以上の蝶屋さんは、まだまだ採集一辺倒の方が多いですが、蝶類の衰亡の著しい昨今は、(所謂)珍品の(所謂)オニ採りは控えて、できることなら生態撮影にも興味を持ってほしいなと思いながらHPやブログを更新しています。
 と書きながらも、私もまだまだ物欲から離れられません。「美」より「探求心」が優先しますね。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月08日 08:55
遠くまで出かけた場合に普通種を撮影するのは覚悟がいるかもしれないですね。
僕の場合は求愛、交尾、産卵など、貴重と思う生態を見た場合には迷わず撮影しますが、レンズを変えて飛翔写真を狙うことはないですね。
迷うのは本命がなかなか見つからないときの普通種や、普通種とはいえないけど、特に珍しくはないような蝶の場合です。(^^;
撮影始めた頃は何でも喜んで撮影していたんですけどね。
Posted by BANYAN at 2006年01月08日 10:03
BANYANさん
 そう、撮影を始めた頃は私も何でも撮影しましたね。そして、望遠レンズに頼らずに、いかに被写体の蝶に近づくかばかりを考えていました。当時はデジカメも簡易なものしかなかったですし。
 今も、そういった初心を忘れないように、撮影に臨んでいます。
 まあ、狙った蝶に出会えなくても、フィールドに元気に出かけられる幸せを満喫しましょう。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月08日 19:47
ネットをカメラに持ち変えた時、大げさに言えば、珍種・普通種の縛りから解放されて、蝶を本格的に始める前の、原始的幸福感に浸れました。知らず知らずに身に纏った長年の垢がごっそり落としたような開放感を感じました。日々、ファインダー越しに見る蝶が全て新鮮で美しく、愛おしく感じられ、夢中でシャッターを押しました。
北杜夫の「ドクトルマンボウ青春期」に標本を全て戦災で失い、空腹と瑞々しい心を抱えて信州の自然の中を逍遥する主人公がルリタテハやオトシブミを見た時の描写を思い出したりしました。
或いは「幽霊」「昆虫記」に出てくる「霧の中のウラギンシジミ」の挿話を思い出したりしました。
経済学で謂うところの「限界効用逓減の法則」から人は逃れられないのですね・・・
一杯目のビールは美味しいけれど、2杯目、3杯目と杯を重ねるごとに、哀しい事にその味は落ちていく・・・
kenkenさま、右も左も優劣付け難いです。その時々、心の思うまま、どちらも正直な自分だと思います。

いつもながら魂を風に解き放ち過ぎたPEKEです。
Posted by pekeyama at 2006年01月08日 20:03
pekeyamaさん
 魂の入ったコメント、有り難うございます。
 そうそう、その「原始的幸福感」なんですよね。カメラを通して蝶と付き合うようになってからは、採集中心で活動していた頃には気づかなかった多くのことに気づきました。そして、この蝶はどんな時に翅を開くのかしら・・・なんてことを1年中考えるようになりましたね。北杜夫氏の昆虫記、もちろん私も読んでいますよ〜

 まったく話しは変わりますが、今日は、親戚の新年会で、甲山の麓で呑んだくれていまして、「あの辺りがpekeさんのフィールドなんやなぁ」と越木岩の辺りから眺めておりました。
ブログをご覧の皆様<ローカルな話しですんません。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月08日 20:28
今晩は
私は迷わず左ですね。
kenkenさんのおっしゃるようにまさに「一期一会」
次に撮れる確率は圧倒的に左が少ないと思うので。
もっとも今年はたくさんクロツバメを見たからかも知れないですが。
Posted by ダンダラ at 2006年01月09日 00:23
ダンダラさん
 なるほど、左ですね。私は、このアゲハを見たときに、妙に魅かれるものを感じて、クロツはひとまずほったらかしてアゲハを追いかけました。実際にフィールドにいて、実際に被写体を向き合うと、おのずと答えがでるのかも知れません。
 もっとも、私も昨年はクロツバメを結構見ました。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月09日 08:35
kenkenさん、お申し出ありがとうございます。でも、集めだすときりがない世界、私の届く範囲で十分です。多くの標本を見れば見るほど、違いが分かってくるのでしょうが、できるところからです。
ウェブ上では、いろいろな地域の蝶を見ることができるので、とっても有意義です。これからも、楽しませてください。
Posted by しまびと at 2006年01月09日 18:52
しまびとさん
 わざわざレスいただき、有り難うございます。確かに集めだすとキリがないですね。私は、標本には執着がありません。他人からプレゼントしてもらったものは大切に保管しますが、自分で採集したものはほいほいプレゼントしてしまいます。もっとも、今はもう採集することはほとんどありませんが・・・ インセクトフェアやオークションを見学するのも大好きですが、標本を売買したことは一度もありません。
 では、兵庫県の山のクロツの特徴を忠実に表現している1枚を今日の「表紙の蝶」にUPさせていただきますので、ご覧下さい。http://www.k3.dion.ne.jp/~zephyrus/mfbj/
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月09日 20:18
私は、一切採集をしない撮影オンリーですが、それでも無条件に左とは言えないものがありますね。
やっぱり珍を追ってしまうところがあって、ネットを持つ持たないに限らず、やっぱり性(笑)なんでしょうかね。
Posted by thecla at 2006年01月09日 22:46
theclaさん、こんばんは。
 ふむふむ、なるほど、やはり珍を追うのは人間の性ですかな。(笑)最終的には、実際の現場で、どちらのシーンを見てアドレナリンがより多く分泌されるかによって決まるのでしょう。
 
 
 
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月09日 23:27
左にしたいけど、右の方が簡単そうだから右ですかね。
私は時々網も振っていますが、かなり写真よりですね。
網がカメラに変っただけで、やっぱり珍種狙いをしている自分があります。
写真も私にとっては收集なのです。
物欲が無くなってはきましたが、收集欲だけは残っています。
Posted by maeda at 2006年01月10日 08:26
maedaさん
 似たような蝶との接し方ですねぇ。言われてみると、私にとっても、写真は収集ですね。私の場合は、生態写真を撮ってしまうと標本は要らないなと感じています。
 私の生態写真の心の師匠であるS氏は、子供さんから「お父さんが写真を撮って、いい蝶だ〜っていうのは、珍しい蝶のことなの?」って質問されて、はっとしたと言っておられました。S氏も私も元々は採集派だったのです。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月10日 12:15
kenkenさんの提示されたテーマは奥が深いですね。フィールドで普通種の撮影をパスしてしまう理由は二つあると思います。一つは「撮影テクニックを要する対象だから意図的に見送る」、他方は「珍品との二者択一で普通種を捨てる」場合です。前者の代表格はモンシロチョウだと思います。シロチョウは一般に露出が難しく、訪花個体の翅のグラデーションと花の美しさを両立できる条件が見出せない場合はパスせざるを得ません。この蝶独特の、たおやかで優雅な気品を表現するには相当なテクニックと執念、「覚悟」が必要でしょう。また、飛翔写真を撮影するにしても、背景と対象を両立できる露出条件探索に苦労することが明白なので、ついつい撮影を遠慮してしまう・・・・。銀塩時代からそれなりにモンシロチョウを撮影していますが、満足いくものが無く、サイトにこの蝶をアップする勇気が出ないのです。
Posted by FANSEAB at 2006年01月12日 12:41
FANSEABさん
 う〜む、奥の深いコメントを有り難うございます。そうです、モンシロチョウってほんとに難しい被写体なんですよね。その割には普通種の超代表格で、労多い割には良い写真が得られず、カメラを向ける「覚悟」が決められません。まだしもデジカメであれば、失敗画像は消去すれば済みますが、銀塩時代であれば現像代などバカにならないので本当に「覚悟」が要りますね。
 逆に、例えば、ヒメヒカゲの開翅表のような、暗い色の一色系の蝶も露出に苦しみますねぇ。これもまた、周囲が白飛びした失敗画像の山を築いてしまいます。次の「お蔵入り写真シリーズ」はヒメヒカゲの失敗写真にしようかな。(笑)
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月12日 21:27
kenkenさん,割り込み失礼いたします。拙ブログを訪問いただきありがとうございました。HP,blog共にリンクさせていただきました。こちらこそ,ぞうぞ宜しくお願いいたします。
皆さんのコメントを読みながら,今更ながらなぜこんな年になってもチョウ(虫)を追っかけ回しているんだろうなどとしょうもないことを考えておりました…。^^;
Posted by yohbo at 2006年01月13日 21:39
yohboさん、こんばんは。
 HP、ブログのリンク、有り難うございます。あっ、また、リンクページでは身に余るご紹介コメントをいただき、大感激です。(^0^)/
 この年になっても、やはり皆さん、自然や虫が好きなんでしょうねぇ。いくつになっても、こういった気持ちは持ち続けていたいですし、また、枯れることはないようですね。
 私、まだ対馬を訪れていないので、近いうちに是非、訪れねばっ!
 今後とも、どうぞよろしくお願いします。
Posted by kenken(管理人) at 2006年01月13日 22:56
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