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ところで、話は変わりますが、撮影者の中には、採集者を忌み嫌う方がおられますね。 「撮影」から蝶と付き合い始めた方に、その割合が多いように感じています。 私は、「採集」から蝶と付き合い始めてしまっているので、「撮影」から蝶と付き合い始めた方の「感覚」は理解できませんが、かといって、その感覚を否定するものでもありません。
「採集」から蝶と付き合い始め、現在、「撮影」中心に活動している私の「感覚」を書いておきますと・・・
日本の蝶に関する様々な新事実の発見、解明に、「採集」という行為は欠かせないものであって、また、採集者の活動は大いに日本の蝶界の発展に貢献してきたと考えています。「よくぞ、そんな場所でそんな蝶を採集したもんだっ、凄いぞ、凄いぞ!」と採集者に関心することもしばしばあります。で、そんな採集者が残した記録や情報を参考にして撮影地の探索を行っているわけで、採集者には大変お世話になっていると考えています。また、新産地探索される採集者に対しては、そのスピリットに大いに敬意を払っています。
なので、私は、採集者を単に「採集者だから」という理由で忌み嫌うことはありません。たまに撮影地で採集者と遭遇しても、仲良くお話ししています。
その一方、同じ産地を繰り返し訪れて絶滅危惧種を数採りする採集者には、「そんなんして、日本の蝶界に、何かえぇことあるんかいな」と大いに疑問を感じます。また、法的な採集禁止種の採集者は論外で、大いに非難されなければなりませんし、万一、現地で「密猟」行為を現認した場合は、証拠写真を撮影して通報しようと考えています。これは、他のまっとうな採集者・撮影者を含めて「蝶愛好家」が世間から非難を浴びせられたくない、また、「蝶界」が今後も発展し続けてほしいと単純に願っているからであります。
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え〜、全く違う方向へ話が行ってしまいました・・・話を戻します。で、この日は、採集記録を参考にして、京都市内のやや発生が遅めの地域をキマリンの成虫シーズンに初めて訪問してみました。
ご承知のとおり、京都市内には各所にキマリンが生息していて、採集するのは簡単ですが、その翅表を真上から撮影しようとすると、ぐっと難度が上がります。テリ・タイム前に探索した結果、私がキマリンならここでテリ張るやろって場所3箇所に目星をつけました。いよいよ待望のテリ・タイムの始まりです。
どんなもんです!目視で下草でテリ張っている個体を発見です。(この快感がたまらんっ!)300mmで遠めから証拠写真を撮って見てみると、ちょいスレの個体ですが、尾状突起の4白は揃っております。で、なんと、♂なのに翅表に瑠璃色がない、いわゆる「キマクロ」ではありませんかっ!ならば、その漆黒の翅表を綺麗に表現したい・・・いっきに探索モードから撮影モードへ切り替えです!
「我、未だ黙鶏たりえず・・・」といったところですな。まだまだ修行がたりません。もっと修行を積んで、来シーズン、発生初期にここを再訪いたしましょう。